それは本当に「化粧品」?|化粧品として販売するには|兵庫県尼崎市 いしの行政書士事務所

ご存知の通り、高品質な日本の化粧品は海外で人気で、輸出量が急増しています。
また人気が高い韓国コスメを輸入・販売したいと考える方も増加しています。

この記事を読まれている方の中には、そう考えている人もいるのではないでしょうか。

ところで化粧品って何なのでしょうか?
ファンデーションやリップなどのメイク用品が頭に浮かびますか?
メイク用品だけでなく、シャンプーや石鹸、歯磨き粉も化粧品の一つです。

では、これから販売あるいは輸入したい物は、日本で「化粧品」として販売できるのでしょうか。
それを知るには化粧品の定義を知る必要があります。

この記事では化粧品の概要と、取り扱いたい製品が化粧品に該当するかの要件を解説しています。

この記事でわかること

  • 化粧品の法律上の位置付け
  • 規定の方法
    • 成分による規制
    • 効能効果に関する規制

化粧品として販売できるかどうかは以下の項目すべてを満たす必要があります。

対象、目的、使用方法は適切か
対象人に使用するもの
目的身体を清潔にする
身体を美化する
身体の魅力を増す
身体の容貌を変える
肌を健やかに保つ
髪を健やかに保つ
使用方法塗る
吹きかける
これらに類似した方法
配合成分が化粧品基準を満たすもの
  • 医薬品でしか使えない成分が含まれていないこと(一部例外あり)
  • 使用が禁止されている成分が含まれていないこと
    • 生物由来原料基準に適合しない物
    • 第一種特定化学物質
    • 第二種特定化学物質
    • 化粧品基準 別表第1に記載されている成分

など

効能効果

医薬品、医薬部外品にしか認められていない効能効果を狙った製品でないこと

化粧品として認められている効能効果の範囲内であること

以下でそれぞれ詳しく解説します。

目次

化粧品は何を目的としている?

化粧品は医薬品や医薬部外品、医療機器と同じ医薬品医療機器等法という法律で規制されています。同法では以下のように定義されています。

の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗り、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とさている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。(一部抜粋)
医薬品医療機器等法 第2条3項

対象使用目的使用方法
身体を清潔にする
身体を美化する
身体の魅力を増す
身体の容貌を変える
肌を健やかに保つ
髪を健やかに保つ
塗る
吹きかける
これらに類似した方法

化粧品が対象としているのは「人」です。
最近のペットブームから動物向けの製品も出ていますが、法的には人に使う物に限定されています。

人体に対する作用が緩和とは

医薬(部外)品に認められている「治療」や「予防」、「衛生的な効果」は化粧品にはありません。
化粧品はあくまでもビューティー的な効果しか期待できません。

広告において医薬(部外)品でしか使えない表現を化粧品に対して使うと、医薬品医療機器等法や景品表示法により罰則を受けるので注意が必要です。

成分による規制

化粧品は人の健康に影響を与える恐れがあります。そのため、使用できる成分には規制がかけられています。

  • 医薬品でしか使えない成分が含まれていないこと(一部例外あり)
  • 使用が禁止されている成分が含まれていないこと
    • 第一種特定化学物質
    • 第二種特定化学物質 など

この成分基準を満たさないと化粧品として市場に出荷できません。

効能効果に関する規制

化粧品として取り扱うには、その製品が与える効果が基準となります。
下記の2項目いずれにも当てはまることが必要です。

  1. 医薬品、医薬部外品にしか認められていない効能効果を狙った製品でないこと
    • 治療、予防、衛生などの表現
  2. 化粧品として認められている効能効果の範囲内であること

1.医薬品、医薬部外品にしか認められていない効能効果を狙った製品でないこと

医薬(部外)品は治療や予防など化粧品よりも高い効能効果を謳えます。
言い換えると、予防などを目的とする場合は化粧品として販売ができません。

  • フケ、かゆみを防ぐ:医薬部外品の広告で認められている表現
  • フケ、かゆみを抑える:化粧品の広告で認められている表現
  • カミソリまけを防ぐ:医薬部外品の広告で認められている表現
  • ヒゲを剃りやすくする:化粧品の広告で認められている表現

販売後の広告においても注意が必要です。

2.化粧品として認められている効能効果の範囲内であること

化粧品が謳うことができる効能効果は下表の56種類のみです。
これらを外れる効能効果を与える製品を扱いたい場合は、医薬部外品などとして販売する必要があります。

頭皮、髪に関するもの
(1) 頭皮、毛髪を清浄にする。(9) 毛髪のつやを保つ。
(2) 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。(10) 毛髪につやを与える。
(3) 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。(11) フケ、カユミがとれる。
(4) 毛髪にはり、こしを与える。(12) フケ、カユミを抑える。
(5) 頭皮、毛髪にうるおいを与える。(13) 毛髪の水分、油分を補い保つ。
(6) 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。(14) 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
(7) 毛髪をしなやかにする。(15) 髪型を整え、保持する。
(8) クシどおりをよくする。(16) 毛髪の帯電を防止する。
肌に関するもの
(17)(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。(28) 皮膚の乾燥を防ぐ。
(18)(洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。(29) 肌を柔らげる。
(19) 肌を整える。(30) 肌にはりを与える。
(20) 肌のキメを整える。(31) 肌にツヤを与える。
(21) 皮膚をすこやかに保つ。(32) 肌を滑らかにする。
(22) 肌荒れを防ぐ。(33) ひげを剃りやすくする。
(23) 肌をひきしめる。(34) ひげそり後の肌を整える。
(24) 皮膚にうるおいを与える。(35) あせもを防ぐ(打粉)。
(25) 皮膚の水分、油分を補い保つ。(36) 日やけを防ぐ。
(26) 皮膚の柔軟性を保つ。(37) 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
(27) 皮膚を保護する。(38) 乾燥による小ジワを目立たなくする。
香りに関するもの爪に関するもの
(39) 芳香を与える。(40) 爪を保護する。
(41) 爪をすこやかに保つ。
(42) 爪にうるおいを与える。
口に関するもの
(43) 口唇の荒れを防ぐ。(50) ムシ歯を防ぐ(※)。
(44) 口唇のキメを整える。(51) 歯を白くする(※)。
(45) 口唇にうるおいを与える。(52) 歯垢を除去する(※)。
(46) 口唇をすこやかにする。(53) 口中を浄化する(歯みがき類) 。
(47) 口唇を保護する。 口唇の乾燥を防ぐ。(54) 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
(48) 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。(55) 歯のやにを取る(※)。
(49) 口唇を滑らかにする。(56) 歯石の沈着を防ぐ(※)。
(※使用時にブラッシングを行う歯みがき類) 

引用:化粧品等の適正広告ガイドライン

まとめ

化粧品への該当性について解説しました。

法令上の定義や成分、効能効果が基準を満たすことを予め確認しておくことが必要です。

対象、目的、使用方法は適切か
対象人に使用するもの
目的身体を清潔にする
身体を美化する
身体の魅力を増す
身体の容貌を変える
肌を健やかに保つ
髪を健やかに保つ
使用方法塗る
吹きかける
これらに類似した方法
配合成分が化粧品基準を満たすもの
  • 医薬品でしか使えない成分が含まれていないこと(一部例外あり)
  • 使用が禁止されている成分が含まれていないこと
    • 生物由来原料基準に適合しない物
    • 第一種特定化学物質
    • 第二種特定化学物質
    • 化粧品基準 別表第1に記載されている成分

など

効能効果
  1. 医薬品、医薬部外品にしか認められていない効能効果を狙った製品でないこと
  2. 化粧品として認められている効能効果の範囲内であること
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次